修繕積立金の改定

よくある事例から

修繕積立金の改定には、いくつかのタイプがあります。

大規模修繕工事(マンション竣工から概ね12年後)が近づいてくると、管理会社から「そろそろ大規模修繕工事も近づいてきましたが、このままでは大規模修繕工事の修繕積立金が足りません。値上げの必要があります。」と提案される場合
分譲時から修繕積立金を3年ごとに値上げする計画が立てられていたが、その後修繕積立金の値上げが実施されず、5年以上経過して修繕積立金不足が発覚する場合
震災、災害等が発生し、予期せぬ修繕積立金の支出があり、修繕積立金が不足する場合

修繕積立金の値上げ(改定)を総会に提出し、すんなりと承認される場合もありますが、いろいろ反対意見が出されて、審議保留となる場合もあります。理事会にとっても、管理会社にとっても、頭の痛いところです。

どのような意見が出されて審議保留となるのでしょうか。

支出をまず削減し、管理費を値下げして、その管理費削減分を修繕積立金に増額すべきだ。やるべきこと(支出の削減)をまず先にやってからの話だ。
修繕積立金改定の根拠となる「長期修繕計画」が信頼できない。(または、古い長期修繕計画ではなく新しい長期修繕計画で試算すべき。)。管理会社の作成した長期修繕計画を鵜呑みにして良いか。
修繕積立金の不足はわかるが、合意形成できる水準を目指すべきではないか。値上げの方法(改定額、改定時期、一括改定か段階的改定か等)をもっと議論すべきではないか。

そしてこのような議論の末、総会で審議保留となると、その後はこの問題に手を付けることが更に難しくなります。そして数年が過ぎ、この間に修繕積立金の不足がますます深刻化していきます。

解決方法

修繕積立金の改定は個人の出費が直接影響するため、慎重に進めねばなりません。

先ほど出された「総会での反対意見」となる事項をひとつ一つ解決していくことが、時間がかかりますが、確実な方法です。

これらのことを、管理会社さんに全部任せることができない場合があります。まず、経費の支出(自分の管理委託費の削減)を自ら行うことは限度があります。

また長期修繕計画も自社で作成したものですから、これを否定することはできません。組合員によっては、この様な問題に管理会社さんを関与させることは好ましくないと考える方もいらっしゃいます。

これらの課題解決を第三者の中立な立場で、時間をかけて遂行していくのが、マンション管理士です。ぜひご検討してください。

      

修繕積立金改定の手続き

修繕積立金の改定を、次の手続きを経て行う方法があります。

また、専門委員会の設置が望まれる場合があることも考慮しましょう。


◆ 主な手続き

「管理委託費」が適正な水準かチェックをします。
・場合により一部の委託費の見直しをします。(これが本来の目的ではありません)
・この工程は、状況により省略することもあります。
「長期修繕計画」の確認、見直しをします。
・修繕項目、修繕周期が適切かチェックします。
・「専有部分の給排水管」や「玄関ドア・窓枠」も対象とするか検討します。
「資金計画表」を作成し、修繕積立金の改定案を3~4案検討します。
・積立金不足が予想される場合、「借入れ」対応の是非を検討します。
・積立金不足が予想される場合でも、「一時金徴収」による対応は、極力回避します。
・「段階増額方式」(数年毎に改定する計画)は極力回避し、「均等法式」を中心に検討します。
「アンケート」実施のメリット、デメリットを比較し、実施する場合の案を検討します。
・アンケートは「改定の賛否」を問うものではなく、改定額を決める参考とします。
・アンケートを実施するときは、次の「説明会の後」が良いでしょう。
「説明会」を開催し、改定が必要な状況と改定案(値上げ金額案)を説明します。
この間、定期的に「広報紙」を発行し、活動状況を組合員にキチンと報告することが必須です。

      

上記内容の「修繕積立金の改定」の出張セミナーも承ります。

セミナー費用 22,000円  お気軽にご相談ください。

セミナー詳細は・・・


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